0泊5日、北海道旅行(2001年秋)

 旅の思い出をひとつ。

* * * * *

 2001年秋のこと。大学の友人二人と、北海道旅行に出かけました。
 当時、旅行資金が潤沢にあるわけではなかったので(今もないけど)、JR東日本が発売していた「ぐるり北海道フリーきっぷ」を利用することにしました。
 これは、「東京から北海道までの往復きっぷ(特急券込み)」と「北海道内のフリーきっぷ」がセットになって、5日間有効で35,700円という格安きっぷです。
 このきっぷをフルに活用するために、以下のような旅程を計画しました。

(1日目)
 東京-盛岡-青森-函館(観光)-札幌(観光)-釧路行夜行特急(車中泊)
(2日目)
 釧路-根室-納沙布岬-根室-釧路-釧路湿原…(徒歩)…細岡-川湯温泉(駅前の銭湯で入浴)-網走-札幌行夜行特急(車中泊)
(3日目)
 札幌-稚内-宗谷岬-野寒布岬-稚内-札幌行夜行特急(車中泊)
(4・5日目)
 札幌-日高本線-襟裳岬-日高本線-苫小牧-上野行夜行特急「北斗星」(車中泊)-上野

 毎晩夜行列車の中で寝ることで宿泊費をゼロに抑え、かつ、寝ている間に遠くまで移動してしまうという、一石二鳥の効果を狙った計画でした。
(なお、現在では北海道内の夜行特急は全廃され、「ぐるり北海道フリーきっぷ」も販売中止となっています。)

 この旅行では、川湯温泉の夜の情景が深く印象に残っています。
 旅行二日目。
 二日ぶりに入浴するために、我々は釧網本線の川湯温泉駅で下車しました。
 そして駅近くの古びた銭湯に出かけ、旅の疲れを洗い流した我々は、今度は駅へ戻る夜道をとぼとぼと歩きます。
 11月の北海道の、意外に厳しい寒さ。
 通りからはすっかり人の姿が消え、耳が痛くなるくらいの静寂に包まれた世界。
 川湯温泉駅の階段に腰掛けて電車を待ちながら、墨を流したような漆黒の夜空と、街灯に照らされて幻想的な駅前風景を、ただずっと眺めていたことを思い出します。

 あらかじめ決められた予定通りに目的地を訪ねるものを「旅行」、行程に不確定要素が加わるものを「旅」と仮に定義するなら、このとき我々が行ったのは、紛れもない「旅行」でした。
 ただ、「旅」の豊かな世界の入口を少しだけ見せてくれたこの「旅行」は、少なからず印象的な経験として、今も記憶に残っています。

テーマ : 旅の思い出
ジャンル : 旅行

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