【駅】土讃線坪尻駅(2003年冬)

2003年12月30日、秘境駅として知られる土讃線坪尻駅を訪問した際の写真です。


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初めて坪尻駅を訪れたのは、これより1年前、2002年の大晦日でした。
同じ土讃線の新改駅訪問と小歩危-大歩危駅間歩きを済ませたのち、ようやく坪尻駅に到着したのは、もう夕闇の迫る時間帯。大晦日の夕刻にこんな辺鄙な駅を訪ねる人は他にいないだろうと思いながら駅に降り立つと、自分のほかにも3名、下車した人がありました。


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そのうち2人は徳島の専門学校生、弱冠20歳の若者でした。なんでもこの坪尻駅で年を越すとかで、寝袋、ラジオ、年越し蕎麦などの重装備を持参。以前にも坪尻で駅寝した経験があり、その際には深夜、駅舎の周りをぐるりと野犬の群れに取り囲まれ、やがて野犬の数頭が入口のドアに体当たりを繰り返してきて生きた心地がしなかった、という恐怖体験を語ってくれました。


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もう一人は、はるばる札幌から来た27歳の方。年末年始はいつも長い旅行に出ていて、ここ5年ほど正月を自宅で迎えていない、と笑っていました。


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これらの方々と、両者の中間くらいの歳だった私はやがて打ち解け、駅舎の中で坪尻駅の話や旅の話を続けました。次の電車が来るまでの約1時間はあっという間に過ぎ、すっかり闇に包まれた坪尻の地に、駅との別れを告げる列車がやってきました。


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列車に乗り込み、ホームに立つ専門学校生たちに手を振りながら、彼らの無事を祈ります。そして土讃線をしばらく北上し、琴平駅で、金刀比羅宮に初詣するという札幌の方とも別れました。「また、どこかで」の一言を交わしつつ。


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それから1年後。再び坪尻駅を訪ねてみましたが、そこにあったのは誰もいない駅舎と、遠くから聞こえる犬の遠吠えだけでした。


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人の出会いは一期一会と言います。名前も連絡先も知らない彼らと会うことは、きっと二度とないのでしょう。しかし、ほんの刹那の旅先の記憶が、時に懐かしく思い出されることがあります。


テーマ : 駅の風景
ジャンル : 旅行

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